1992年『シューティング・ギャラリー』1stアルバム / Shooting Gallery
チェリー・ボムズ(The Cherry Bombz)が消滅したのが1986年、ソロ作 『Too Much Ain't Enough』 が1988年ですから、久しぶりに表舞台に戻ってきたアンディ・マッコイ(Andy McCoy)
この時率いていたバンドが、この1枚のアルバムを残してまたしても早々と消滅した Shooting Gallery(シューティング・ギャラリー)
とにかくハノイ以降作っては壊しの連続ですが、このバンドに関してはロサンゼルスを活動拠点にしKISSのツアーにオープニングアクトで参加したり、このアルバムもアメリカでのリリースもありましたし気合の入ったバンドだったはずですが…
1992年4月25日発売 Shooting Gallery 日本盤 Mercury – PHCR-1167
この1曲目の Restless イントロからめっちゃカッコイイと感じましたが、ボーカルが入ってきて少しアレ?という感じだったな。
アルバムレコーデイング時のメンバーはアンディを含めて4人組で、ベースはチェリー・ボムズでもいっしょだった Dave Tregunna、ドラムの Paul Garisto、ボーカルの Billy G. Bang さらにアルバムREC終了後のツアーには元The Dogs D'Amour の Jo "Dog" Almeida(CD裏ジャケットには写っておらず) が加入します。
4曲目にハノイ人気曲のセルフカバー Don't Never Leave Me が入っていますがこれはリリースに関して契約に入っていたのかな?このボーカルにも合っていないし不自然な選曲のような気がします。
もう一曲のセルフカバー チェリー・ボムズ の House Of Ecstasy は不完全に終わったリベンジもあるのかもしれませんが、聴き比べるとはチェリーのほうがスタジオテイクは好きかな…シンセなどのダビング多いですが泥臭くなく音質もいいし、何よりナスティとのツインギターだし。
シューティング・ギャラリーもレコーデイング時にツインギターを想定していたのか判りませんが、一部の曲は2本ギターが無いとライブきつそうですね。
アメコミみたいなぶっ飛んだピエロのジャケットもそうですが、裏のモノクロのメンバー写真を見てもとにかくヤバそうなやつらですが、でも少し声はカワイイ。
ノリいい2曲目の Teenage Breakdown は 1985年のハノイ最終ラインナップ時代の未発表デモ曲 Shame, Shame, Shame と同じギターリフと一部アレンジが使われていますが曲自体は別物です。
イントロのミストーンも含めてこの曲が一番好き。
Shooting Gallery Teenage Breakdown
いい意味でアンディまる出しのインチキ臭いギターリフが炸裂する極悪ロックンロールバンド!
イメージはこんな感じでしたがLIVE映像も何もないものですから正直ボーカルは印象薄かった。
それでも楽曲のアレンジで出てくるリフやフレーズがアンディらしく決して上手くないがどれもカッコいい。
セルフカバー以外にも9曲目 Brown Eyed Girl は Van Morrison のカバーで、オリジナルはアルバム『ブロウイン・ユア・マインド』(1967)収録。
しかしこのバンドからアンディ本人が追い出される形で終わりを迎えます。
これが脱退なのかクビなのか…当時はアンディが全権握りすぎでボーカルの発音にまでダメ出ししていたとか、その辺のワンマンな態度が他のメンバーとの確執になったらしいのですが…いずれにしてもアルバム1枚を残してまたも短命に終わったのでした。
英語版のウィキのよるとアンディは諦めきれなかったのか1994年にも、母国フィンランドで次のアルバムのバンドメンバーとなるジップ・カジノ、ダン・ラガーステッド とアンジェラ・ニコレッティ(アンディの嫁)に別のボーカリストを加えて第2期シューティングギャラリーを立ち上げたみたいですが、ボーカリストの問題でツアー1回で終わったようです。
そのバンドがアンディの2ndアルバム 『Building on Tradition』 の the band, LIVE AMMO に繋がるみたいです。
ちなみにアンディを外して重荷がなくなったシューティング・ギャラリー残りの面々は、新たにギタリスト 元 Cats In Boots の Takashi "Jam" O'Hashi(大橋隆志)を迎えてSLUMLORDS(スラムローズ)で再スタートしますが、こちらも日本のみでリリースされたミニアルバム1枚でジ・エンドとなります。(Jo "Dog" Almeida は不参加)