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1990年『ハウス・オブ・エクスタシー』 House Of Ecstacy / The Cherry Bombz(チェリー・ボムズ)

House Of Ecstacy (ハウス・オブ・エクスタシー) は The Cherry Bombz (チェリー・ボムズ) の1986年のライブアルバム Coming Down Slow((※Coming Down Slowですが 日本盤はタイトルが別についており LIVE チェリー・ボムズ となっています。) と 12"インチなどに収録されていたスタジオテイクを1枚のCDにいっぱい詰め込んだ 日本企画のCompilation アルバム。
もともと1990年発売ですが所有のCDは同じタイトルとジャケットで価格を抑え1994年再リリースされたものです。

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Mercury – PHCR-4222 1994

1985年にハノイ・ロックスHanoi Rocks)は解散しましたが、女性ボーカリストの Anita Chellemah(アニタ・シェラマー)と意気投合した アンディ・マッコイ(Andy McCoy)はアニタをボーカルに迎え新たにバンドを始動させます。

ハノイ解散後すぐということもありアンディのほか ナスティ・スーサイド(Nasty Suicide)、さらに最終的なハノイのメンバーだったドラムのテリー・チャイムス (Terry Chimes) 、元アンディのギタークルーの ティモ・カルティオ (Timo Kaltio) ベース が最初のメンバーでスタート。
ベースは最初の 12"インチリリース後にデイヴ・トレガンナ(Dave Tregunna)に代わります。
やっぱり比べちゃいますよね。8割近く(主成分は40%)ハノイ成分が残っているもの。
でも女性シンガーならではの艶のある感じもいい。

House Of Ecstasy / The Cherry Bombz ミュージックビデオ


The Cherry Bombz - House Of Ecstasy (Promo)

この House Of Ecstasy はアンディの次のバンド Shooting Gallery (シューティング・ギャラリー)でもセルフカバーする曲です。
個人的にもこちらのアニタのほうがこの曲に合っていて、より掛け合いの男性コーラスが引き立つ感じがします。
このコーラスは ハノイの活動時に未発表だった曲 Two Steps From The Move(日本編集ベスト盤 Million Miles Away (1984)などに収録) で使われてるメロディと同じものです。

allenkk.hateblo.jp

ハノイ解散すぐだったり同時期にナスティとのユニットThe Suicide Twins (スーサイド・ツインズ)も進行中だったので楽曲も被るものも多く、特にライブ盤のほうでは ハノイのTaxi Driver や Oil & Gasoline、未発表だった LIfe's Been Hard に加え、スーサイド・ツインズの Sweet Pretending、 Comin' Down Slow などをセットリストに加えています。

allenkk.hateblo.jp

スタジオテイクで残っている12"インチでリリースした楽曲は9曲だけですが、LIVEヴァージョンとは違う意味でいい感じでまとまってるのでLIfe's Been Hard や Lips Of Love などもスタジオテイクで聴いてみたかった。

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ライブでは後半ラスト3曲もカバーですし、シングルカットした Hot Girls In Love も Loverboy のカバーで少しこのバンド用に書き下ろした曲は少なかったのかなと思います。
なぜ少ないのかというとボーカルのアニタがすぐにバンドを抜けてしまい、結成から1年足らずであっけなくこのバンドは消滅してしまうからですが。

Cherry Bombz: Hot Girls in Love LIVE


Cherry Bombz: Hot Girls in Love

結局アルバムとしてリリースされたのはライブ盤の Coming Down Slow だけでしたが、UKで発売されていたビデオ(タイトル:Hot Girls In Love)では一部収録曲が違い、Lips Of Love のかわりに Hot Girls In Love が収録、これは1994年には日本もLDとVHSでリリースされ、2005年にはUKでDVDソフトとして再リリースされました。
また近年では Live From London というタイトルで Amazon Music Unlimited に音源のみ公開されています。

そのため Amazon Music Unlimitedではライブテイク部分が Live From London で、後半のスタジオテイクのほうは The Cherry Bombz - Deluxe Version で聴くことが出来ます。


Live From London / The Cherry Bombz

まずライブのほうですがDVDのオーディオ部分の音源となるため収録曲順は

  1. House Of Ecstasy
  2. 100 Degrees In The Shade
  3. Pin-Up Boy
  4. Oil & Gasoline
  5. Sweet Pretending
  6. Comin' Down Slow
  7. Taxi Driver
  8. LIfe's Been Hard
  9. Hot Girls In Love
  10. Gimme Good Loving
  11. Ain't What You Do
  12. Travelling Band

Live From London

Live From London

  • The Store For Music Ltd
Amazon

アンディの楽曲以外でのカバー

9.Hot Girls In Love は Loverboy のカバーKEEP IT UP(1983)収録
10.Gimme Good Loving は Link Wray のカバー Bullshot(1979)収録
11.Ain't What You Do は Hurriganes のカバー Roadrunner(1974)収録
12.Travelling Band は Creedence Clearwater Revival (C.C.R.)のカバー Cosmo's Factory(1970)収録

無料でも聴ける Spotify には無く、有料となる Amazon Music Unlimited でしかこの Live From London が無いのが残念です。
Amazon Music でアルバムもしくは曲単位での購入は可能。

つづいてEPなどのスタジオテイク音源

The Cherry Bombz - Deluxe Version

最初にリリースされた5曲入りの The Cherry Bombz に残りの12"インチやEPでリリースされた楽曲4曲を追加してあるDeluxe Version。
こちらはSpotifyでも配信されているので無料で聴くことが出来ます。

  1. Hot Girls In Love ※
  2. 100 Degrees In The Shade※
  3. Feline Feeling※
  4. Oil & Gasoline※
  5. Pin Up Boy※
  6. House Of Ecstasy△
  7. Declaration◎
  8. Countryfied Inner City Blues△
  9. Running (Back To Your Love)△

収録EP

※は1985年の The Cherry Bombz 収録
△は1986年の The House Of Ecstasy 12"インチ収録
◎は1986年の The House Of Ecstasy UK盤の7"インチシングルB面

楽曲のなかでカバー曲や焼き直しのものは
1.Hot Girls In Love は Loverboy の Keep It Up(1983)収録曲のカバー

4.Oil & Gasoline はハノイ・ロックスの レアテイク集 Tracks From A Broken Dream などに収録されている、シングル Don't You Ever Leave Me のカップリング曲のチェリー・ボムズ ヴァージョン。

7.Declaration は The Suicide Twins のアルバムに収録している曲のボーカルがアニタ・ヴァージョン(オケは同じ)
これはUS盤カセット 100 Degrees In The Shade にも収録されていたみたいです。

8.Countryfied Inner City Blues は The Suicide Twins の ヴァージョンと全く同じものがここにも収録されています。
少ない楽曲でやりくりしているな…

アナログ盤は集めていないので、ライブアレンジしか聴いたことが無かった Pin Up Boy は この Deluxe Versionで聴けて感動しました。

最初に紹介した House Of Ecstacy / The Cherry Bombz 日本盤 ですが、こちらは1994年を最後に再リリースも無く今は中古市場に出回っているものしか入手できないようです。

ハウス・オブ・エクスタシー

ハウス・オブ・エクスタシー

Amazon
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