リッチー・コッツェン(Richie Kotzen)のアルバム、自身の名義としては6枚目になる『Wave of Emotion』 (1996年)
前作がほぼインストのフュージョン系のインストアルバム(ボーカル曲がラストの2曲のみ)だったのですが、このアルバムでは全編ヴォーカルとギターで、当時人気のあったややハードなファンク+ロックといったところ。
でも一番びっくりしたのは前作よりさらに短髪になっていたこのジャケ写真。
前年のアルバム『The Inner Galactic Fusion Experience 』の日本語ライナーノーツに、「日本のポリスターと『Mother Heads Family Reunion』スタイルのアルバムをリリースする契約をした」とありますが、これがこのポリスター移籍第1弾アルバムの『Wave of Emotion』 であり、2000年のアメリカでのリリースまでは日本盤しか無かったみたいです。
ギターは少し軽めの音作りで、かなり目立つのがカッティングに深めにかけた Guyatone の Wah Rocker WR2 を使ったようなオートワウ、ほかにもDigiTechのワーミーの音も聴こえます。
親交の深かったスティーヴィー・サラス (Stevie Salas) と同じようなタイプですが、リッチーのほうはシングルコイルのカリッとしたあまり歪ませないスタイル。
この『Wave of Emotion』は日本での契約だったのが影響してか、サブスクなどでは見つけられませんでした。
唯一3枚組ベストアルバム『TELECASTERS & STRATOCASTERS: KLASSIC KOTZEN』の各ボーナス扱いとして、このアルバムからの楽曲が収録されています。
ミュージックビデオは"Wave of Emotion"が作られています。
ビデオに出てくる女性は当時の嫁さんのディアナ・イヴ(DeAnna Eve)さん
この曲と日本盤アルバムラストの"Strobe"にバッキングボーカルで参加しています。
イヤらしくくねくねして歌うミュージックビデオでは、なんだかギタリストなのかボーカリストなのかよくわからない演出です。
間奏のギターソロも短めで、どちらかというとボーカルに専念している楽曲です。
このアルバムに唯一演奏で参加してるのが、Drums, Percussion のアトマ・アヌー(Atma Anur)で、その他はボーカル、ギターだけではなくアルバムを通してリッチー自身が全編ベースや曲によってはドラムまでダビングして完成させたアルバム。
ゲストは少なく3曲目"Stoned"ではバッキングボーカルで、グレン・ヒューズ(Glenn Hughes)が参加しているぐらい。
たしかに『Mother Heads Family Reunion』スタイルのアルバムではありますが、やや歌もの重視でファンキーさが少し強い作風です。
アルバムごとに毎回スタイルが違うのがこの頃のリッチー・コッツェンでしたね。
日本盤とのちにリリースされるUS盤では収録曲の順序が違い、さらに"Fool"と"Strobe"がカットされ、かわりに"Times Gonna Tell"と"No Reason"の2曲を収録しています。
この2曲は日本でのEP『Times Gonna Tell - Stoned』(1996)に収録されていた4曲のうちのアルバム未収録の2曲です。
Wave of Emotion / Richie Kotzen(1996)日本盤収録曲
- World Affair
- Wave Of Emotion
- Stoned
- Degeneration
- Air
- Sovereign
- Breakdown
- Moonshine
- Fool
- I'm Comin' Out
- Strobe
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