2022年10月28日に全世界同時時発売された、ビートルズの『リボルバー』のスペシャル・エディション
今回も輸入盤の2CDデラックスを購入しました。
CD1のオリジナル14曲は、プロデューサーのジャイルズ・マーティンとエンジニアのサム・オケルにより新たに2022Mixされ、左右の定位にバラつきのあったリズムや、偏っていたメインボーカルなどがほぼ中央に配置されました。
ステレオ感はそれぞれの楽器やコーラス、曲によってはストリングスやブラス、SEなどで出しているので、より自然なミックスに。
これで最近の音楽と一緒に聴いても、違和感は少し少なくなったかなと思います。
CD2のほうは今回もアウトテイク・ハイライトで、スーパー・デラックスタイプのディスク2、3からのアウトテイクの抜粋に、さらにディスク5収録の"Paperback Writer"&"Rain"のシングル2曲の2022ステレオMixが収録されていました。
基本的にバックトラックの定位が中央に寄ることで、モノラルミックスを聴いたときに近いかなとも思いましたが、オリジナルテープのの4トラックから各楽器の音をさらに分離しているらしく、各パートがクリアでステレオ感も広がり、音圧が増したベースなどはしっかり聴こえます。
リリースに伴い新たなミュージックビデオも制作されています。
2曲目"Eleanor Rigby "のストリングスが、以前『Anthology 2』に収録されていた"Eleanor Rigby (Strings Only)"のように分離され、ステレオになって広がりが良くなっていました。※2015年の『The Beatles 1』でもストリングスがステレオMix
ブラスを使用したアレンジの"Got To Get You Into My Life"も、オリジナルはブラスが一か所にまとめて鳴っていたものが、分離されて迫力増しました。
個人的には最近スピーカーで鳴らして聴くスタイルより、ヘッドホンでのリスニングが増えてきてるので、ボーカルや基本のリズムなどは中央に位置しているほうが聴きやすいと思うし、程よくステレオ感あるふわっとしたミックスが好みです。
実際には個人的好みは関係なく、スタジオで当時どのように聴こえていて、いまその場にいるならどのようにミックスしたか?が重要なのかなと考えたりします。
先に発売されていた後期のものより、当然中期以前のもののほうが素材も悪くオリジナルのテープも少ないでしょうから、新たなミックス(デミックス)はどこまでできるのでしょうか?
CD2に収録されていたシングル盤の"Paperback Writer"は、リバーブの深い変なミックスで収録されていた、2015年の『The Beatles 1』に比べスッキリしたものになりました。
『The Beatles 1』の圧で抑えられた音は、最近の音楽に近くていいのかもしれません。
しまった音というより、詰まった音という感じが強い気がします。
最近のデラックスシリーズ同様に、今回も全体的にリズム隊を中央に配置したミックスが多いですが、“Yellow Submarine“は以前のステレオミックスのように、ドラムの音が片側に寄っています。
『The Beatles 1』や、1999年の『Yellow Submarine Songtrack』では中央に配置されていたので、ここではあえて変えたのでしょうか?
また以前のモノミックスと同じように、リンゴの歌いだしと同時にアコースティックギターが鳴っています。(1コード多い)
ミックスが変わりクリアになった音もあれば、定位の関係でやや埋もれたしまった音もありますし、前に出てきたミックスに迫力は感じますが、ボーカルのステレオ感などは過剰に感じる部分もあるでしょうか?
エコーなども少なくオリジナルには敬意を払い制作されているとは思いますが、このデラックスシリーズ自体オリジナル至上主義の人には喜ばれないかもしれません。
自分は毎回楽しみにして違いを探したりして楽しんでいます。
次は『ラバー・ソウル』あたりでしょうか?
The Beatles/Revolver (Special Edition)(Deluxe)<限定盤>
CD1「Revolver 2022 Mix」
- Taxman (2022 Mix)
- Eleanor Rigby (2022 Mix)
- I'm Only Sleeping (2022 Mix)
- Love You To (2022 Mix)
- Here, There And Everywhere (2022 Mix)
- Yellow Submarine (2022 Mix)
- She Said She Said (2022 Mix)
- Good Day Sunshine (2022 Mix)
- And Your Bird Can Sing (2022 Mix)
- For No One (2022 Mix)
- Doctor Robert (2022 Mix)
- I Want To Tell You (2022 Mix)
- Got To Get You Into My Life (2022 Mix)
- Tomorrow Never Knows (2022 Mix)
オリジナルは1966年8月5日に発売
CD2「Sessions Highlights」
- Paperback Writer (2022 Stereo Mix)
- Rain (2022 Stereo Mix)
- Tomorrow Never Knows (Take 1)
- Got To Get You Into My Life (Second Version / Unnumbered Mix)
- Love You To (Take 7)
- Doctor Robert (Take 7)
- And Your Bird Can Sing (First Version / Take 2)
- Taxman (Take 11)
- I'm Only Sleeping (Take 2)
- Eleanor Rigby (Take 2)
- For No One (Take 10 / Backing Track)
- Yellow Submarine (Take 4 Before Sound Effects)
- I Want To Tell You (Speech & Take 4)
- Here, There And Everywhere (Take 6)
- She SaId She Said (Take 15 / Backing Track Rehearsal)